CADとは?プロダクトデザイナー視点で見る特徴・種類・活用術を解説

CADの特徴・種類・活用術を解説

はじめに:手描きからCAD全盛へ─時代の変遷

プロダクトデザインの現場では、製図板に向かって鉛筆で寸法を引き、ラフスケッチでアイデアを固めるのが当たり前の時代もありました。しかし近年は、3Dプリンタや量産工程までを考えると、CAD(コンピュータ支援設計)なしではモノづくりが立ち行かないほどに、デジタル化が進んでいます。
もちろん、手描きのアイデアスケッチも「初期構想には欠かせない」という声は根強いですし、学校教育でも手描きによる空間把握力の訓練を続けているところがあります。 一方で、実務として量産設計や製造工程までスムーズにつなげるためには、CADによる正確な寸法管理や干渉チェックが欠かせません。
では、実際の現場ではどのようにCADが使われ、どんな進化を遂げているのでしょうか? 本記事では、CADの価格帯・特徴(ローレンジ/ミドルレンジ/ハイエンド)2D/3Dの共存MBD/PMIの動向、そしてサーフェス/ソリッド/フォームモデリングBlender活用といった具体的な事例まで幅広く紹介します。

1. CADの費用と特徴は?(ローレンジ・ミドルレンジ・ハイエンド)

ローレンジCAD:コスパ重視、個人利用にも最適

  • 特徴:無料または低価格帯のツールが多く、基本的な2D作図やシンプルな3Dモデリングに対応
  • :Fusion 360(個人やスタートアップ向けの無償プランあり)
メリット
  • 導入コストを最低限に抑えられるため、個人クリエイターやフリーランスでも始めやすい
  • Macにも対応しているツールがあり、デザイン系でMacユーザーにも使える
デメリット
  • 高度な解析機能や大規模アセンブリの管理は苦手
  • 企業として大々的に標準化するには機能面・サポート面で物足りない可能性も
最近話題に上がるのがFusion 360など、個人や小規模チームが扱いやすいローレンジのCADです。 たとえばFusion 360は、個人利用なら無料プランがあり、Mac版にも対応しているため、グラフィック系ソフトと同じ環境で使いたい人にはありがたい存在です。
「ローレンジ」とは言いつつも、3Dモデリングや簡単なシミュレーション、レンダリング機能が揃っているため、趣味レベルの3Dプリントや試作プロジェクト程度なら十分カバーできます。 ただし、大型アセンブリや高度な解析が必要になると機能的に物足りない場面が出てくるため、プロダクトデザインでがっつり量産設計をするなら、もう一段上のミドルレンジ以上が選ばれやすいのが実情です。

ミドルレンジCAD:製造業の“標準”を担う

  • 特徴:中規模メーカーや製造業の現場、プロダクトデザインで主流
  • :SolidWorksやInventorなど、
メリット
  • 3Dモデリング・アセンブリ・レンダリングなど実用性の高い機能がひと通り揃う
  • 車や産業機器などを除けばほとんどの現場に対応可能
デメリット
  • 費用はそれなりにかかる(数十万~100万円前後/年)
  • Windows専用の場合が多く、Macでの運用は難しいケースがほとんど
中小規模のメーカーや、プロダクトデザイナーが本格的に製品開発する現場でよく使われるのがミドルレンジのCADです。代表格としてはSOLIDWORKSInventorが挙げられます。価格は数十万〜100万円前後と決して安くはありませんが、解析やアセンブリ管理、各種プラグイン連携など機能面のバランスが良いです。

ハイエンドCAD:自動車や航空機の世界

  • 特徴:自動車・航空機など大手メーカーで使われ、大規模アセンブリや高度解析が得意
  • :CATIA、NX、Creoなど
メリット
  • 最先端のシミュレーションやPDM連携など大規模プロジェクトに最適
デメリット
  • 導入・運用コストが桁違いに高い、習得も時間がかかる
CATIANXCreoなどのハイエンドCADは、自動車・航空機・家電といった超大規模アセンブリを扱う企業で標準的に使われています。PLM(製品ライフサイクル管理)システムとの連携や、高度な解析機能をフルに生かすには必須の存在ですが、導入や維持にかかるコストは数百万円〜数千万円単位になることも珍しくありません。
また、操作方法が複雑で、社内教育にも時間がかかるため、大規模企業の設計部門が本格導入するケースが多いです。中小企業や個人レベルで扱うには現実的とはいえませんが、サプライチェーン全体で統一することで、車や飛行機の部品設計を効率化できるという大きなメリットがあります。
レンジ代表的ソフト名価格帯主な特徴・用途導入事例・ユーザー層
ローレンジ Fusion 360ほぼ無償 ~ 数万円程度●個人やスタートアップ向けに導入しやすい ●シンプルな3Dモデリングや解析に対応 ●Mac対応のものもあるため、デザイナーが使いやすいケースも多い個人クリエイターやフリーランス- 小規模プロジェクトでの試作・3Dプリント用データ作成
ミドルレンジ●SOLIDWORKS ●Inventor数十万円 ~ 100万円前後●製造業での導入実績が豊富で、機能バランスが良い ●解析・アセンブリ管理・レンダリングなど標準機能が充実 ●大型のコミュニティやプラグインエコシステムがある中小規模メーカーの開発現場- プロダクトデザイナーやエンジニアが「本格的に使えるCAD」を必要とするケース
ハイエンド●CATIA ●NX ●Creo100万円 ~ 数千万円以上●自動車や航空機など、大規模アセンブリや高度解析が必要な領域で強み ●PLM(製品ライフサイクル管理)との連携や、複雑なサプライチェーン管理を想定 ●専門教育・サポートが必要で導入コストも高い 大手製造業の設計部門(自動車・航空・家電など)- グローバルサプライチェーン全体でデータを共有するプロジェクト
プロダクトデザイナーが個人や中小規模の案件で使うなら、ミドルレンジCADが一番バランスよく活用できる印象があります。逆に「まずはCADを触ってみたい」という方や、試作程度の軽い作業なら、ローレンジCADや無料ソフトでも十分スタート可能です。

2. 2Dと3D、いまだに併用される理由

2D CADの特徴

  • ベテラン世代で慣れている人が多く、加工現場でも紙図面がいまだに主流。
  • 寸法や形状を平面的に把握しやすい一方、立体的な干渉チェックはやや面倒。

3D CADの特徴

  • 若手や新しい世代のデザイナー・エンジニアが主に活用。
  • 3Dプリンタやマシニングセンタなど3Dデータがあれば、試作のスピードが上がる。
  • 立体感覚がつかみやすく、プレゼンもしやすいが、覚えるまでは操作が複雑に感じる場合も。

現実は“ハイブリッド運用”が主流

「もう3D化が当たり前」と言われる昨今でも、2D図面の需要は根強いです。現場のベテランエンジニアは2D図面に慣れ親しみ、加工や検査の際に紙図面へ寸法を書き込む文化が残っている企業も多いからです。
さらに、複雑な部品構成を全員が3Dモデルだけで把握するには、モニターやビューワー環境を整えるなど準備が必要。結果として、2Dの方が手軽だと感じる場面がいまだに存在します。

MBD(Model Based Definition)/PMI(Product Manufacturing Information)の動き

しかし一方で、自動車業界を中心MBDやPMIの概念が広がりつつあります。これは、「3Dモデルそのものに公差や注釈、寸法情報をすべて埋め込み、図面レスで製造工程まで回そう」という試みです。

1)3Dモデル内に注釈(寸法・公差など)を統合

これまで2D図面に記載していた寸法や注釈を、3Dモデルの中に埋め込むことで、設計情報を一元化する手法です。CAD画面上で3Dモデルを回転させながら確認したり、必要な断面や詳細を動的に閲覧することで、2D図面に依存しないコミュニケーションを可能にします。

2)製造・検査工程との連携

製造ラインや検査工程でも、3Dモデルをそのまま参照して加工条件や測定条件を設定しやすくなります。たとえばCNCマシニングセンタや3D検査機(3DスキャナやCMMなど)へデータを取り込み、必要な公差がどこに設定されているかをダイレクトに確認できるわけです。

3)メリットと課題

メリット
  • 情報の重複や齟齬を減らす(3Dモデル=唯一の正、という前提で管理)
  • 3Dビジュアルを使って社内外の関係者と意思疎通しやすい
  • 2D図面の作成・変更にかかる時間やコストを削減できる
課題
  • CADソフト同士の互換性や、PMI情報を正しく扱えるビューワー環境の整備
  • 従来の「紙図面」文化からの脱却(社内ルールや教育の必要性)
  • データ管理体制やワークフローの見直し(PLM/PDMとの連携など)
方式主な特徴メリットデメリット・課題現状・適用例
2D (紙図面)●ベテラン層が使い慣れている ●製造現場で紙図面をチェックする文化が根強い●初期投資が少なく、理解しやすい ●紙図面への寸法書き込みや赤入れがしやすい●干渉チェックや3次元的な把握が難しい ●複雑形状や大規模アセンブリでは作業効率が落ちる多くの製造業で今なお主流 - ベテランが中心の現場で特に強い
3D CAD●パソコン上で立体をモデリングし、アセンブリや解析に活用 ●試作や量産工程に直接データを連携できる●干渉チェックや立体可視化が容易 ●3DプリンタやCNC加工との連携がスムーズ ●MBD/PMIに拡張しやすい●操作習得に時間がかかる ●社内のモニター環境やビューワーの整備が必要●若手を中心に普及  ●新規プロジェクトや大手企業の開発部門では3Dが当たり前になりつつある
MBD/PMI●3Dモデルに寸法や公差、注釈を直接埋め込み、図面レスで製造を回す概念 ●自動車・航空機など大手メーカーが先行して導入●図面作成の手間・ミスを減らせる  - 製造・検査で3Dモデルをダイレクトに参照できる ●データの一貫性が高まる●従来の紙図面文化や社内ルールを大きく変更する必要がある ●ソフトウェア互換やビューワー整備にコストがかかる ●中小企業や下請けまで含めた標準化が課題●自動車業界や一部大手メーカーが先行導入中 ●今後、徐々に広まる可能性があるが過渡期にある

3. ソリッド・サーフェス・フォーム─3Dモデリング手法の使い分け

ソリッド・サーフェス・フォームモデリングのイメージ

ソリッドモデリング:工業製品の“基本形”

  • 塊(Solid)を削ったり足したりして形を作る
  • 構造設計や寸法管理がしやすく、多くの工業製品で主流
  • 操作や概念が比較的わかりやすいので、3D CADの基本といえる
一般的な3D CADではソリッドモデリングを軸に、形状を組み上げるのが主流です。 四角柱や円柱などの基本形状を足したり削ったりしながら、寸法を正確に管理できる点が強み。 アセンブリ構造を考えやすく、リブやボスの配置など工学的要素も扱いやすいので、多くのプロダクトデザイナーや設計者がソリッドモデリングを出発点としています。

サーフェスモデリング:曲面重視の意匠設計

  • 面(Surface)を貼り合わせるように形を作る
  • 車の外装やお風呂など、曲面重視のプロダクトで強みを発揮
  • 習得難易度は高めだが、滑らかで美しい曲面づくりに欠かせない
  • 自動車業界などでは、サーフェス専門の担当が存在することも
車の外装や浴槽など、美しい曲面や流線形が求められるプロダクトでは、サーフェスモデリングが欠かせません。面(サーフェス)を貼り合わせて形を作るため、滑らかな稜線を引き立てる高級感あるデザインが可能です。
ただし、習得ハードルは高め。実際、自動車業界では「サーフェス専任のデザイナー」がいるほど、専門性が要求される領域だと言えます。

フォームモデリング:3D上で“粘土をこねる”発想

  • 粘土をこねるような感覚で塊を変形させる
  • 寸法管理は苦手だが、ラフに3次元の形状を確かめるには最適
  • Fusion 360のフォーム機能やBlenderなどが代表例
  • ある程度形状が固まったら、ソリッドやサーフェスに切り替えて最終調整するケースが多い
最近注目されているのが、フォームモデリングと呼ばれる手法。Fusion 360やBlenderなどで、まるで粘土細工のように塊を変形して形を作れます。 寸法や公差を厳密に扱うのは苦手ですが、アイデアスケッチの延長としてはとても便利です。
「スケッチが得意ではないので、最初から3Dでこねて形を見たい」という人にとっては、フォームモデリングが“3次元のラフスケッチ”代わりになるわけです。そこから改めてソリッド・サーフェスの環境に落とし込み、寸法を整えたり金型構造に合わせたりするのも1つの方法です。 私もこの方法を取り入れています。
モデリング手法主な特徴メリットデメリット代表的な適用例
ソリッドモデリング●塊(Solid)を足し引きして形状を構築 ●リブやボスなど工学要素を扱いやすい●寸法管理やアセンブリ設計が得意 ●操作が比較的シンプルで初心者も習得しやすい複雑な曲面・意匠形状は作りにくい場合あり一般的な工業製品全般 
サーフェスモデリング● 面(Surface)を貼り合わせて曲線をコントロール ●車や外装デザインに必須●美しい曲線や高級感ある形状を表現できる ●曲面の自由度が高く、デザイン性を重視する製品に最適●習得ハードルが高い ●面の繋がり(トリムやフィレット)に注意が必要 ●設計データが複雑化しやすい自動車外装や浴槽など
フォームモデリング●粘土をこねるように形状を変形 ●最終的にはソリッドorサーフェスで再構築することが多い●ラフスケッチ感覚で3D形状を検証できる ●スケッチが苦手な人でも直感的に扱いやすい●寸法公差や解析には不向き ●データをCADに渡す際、ポリゴン数が多くなるなど手間が発生●初期コンセプトの造形 ●有機的なキャラクタ・ファッション系形状

4. Blenderを活用する理由─“ゲーム向けソフト”をプロダクトに応用

CADより優れている点

  • 無料で使えるため、ユーザー数が多い
  • ユーザー数が多いため豊富なチュートリアルとアドオンがあり、開発・アップデートも活発
  • ショートカットやUIが直感的
  • CADソフトよりも自由に形を作りやすい
  • アニメーション、エフェクト、レンダリングなどが強力

工業製品としては寸法管理が弱点

  • 製造前提で形状を詰めるのは難しい
  • アンダーカット、金型構造などを意識しにくい
  • 公差や寸法をきっちり定義するには向かない
  • データ移行の問題
  • ポリゴンメッシュをCADへ持ち込むと重くなりがち
  • OBJやSTLのままだとサーフェス/ソリッド化が面倒

使い分けの実例

  • Blenderでラフモデリングし、シルエットや雰囲気を確認する
  • 特殊な有機形状だや風になびくマントや複雑なキャラクター造形など、CADでは作りづらい部分をBlenderから変換して取り込む
  • 最終的に量産設計へ落とすときは、SOLIDWORKSやFusion 360で寸法を設定してソリッドやサーフェスを再作成する
フォームモデリングの発想をさらに突き詰めたツールとして、私はBlenderを利用しています。 もともとはゲームやアニメの3Dモデルを作るためのソフトであり、工業製品の寸法管理には向いていません。しかし、無料で使えてユーザーコミュニティが大きいため、チュートリアルやアドオンが豊富で操作しやすいというメリットがあります。
そのため、Blenderを「3D上でラフモデリングする」目的で試しているところです。 手描きのラフスケッチが得意な人は紙上でしっかり描き込めるますが、私は苦手なのでフォームモデリングを“3次元のスケッチ”として活用しています。 画面内の粘土をこねる感覚で形を作り、それがイメージ通りかどうかを直感的に確認できるのは大きなメリット。ただし、最終的に金型に回すデータを作るとなれば、寸法や公差をきっちり定義できるSOLIDWORKSやFusion 360のソリッド環境で作り直す必要があります。
いちおうBlender→CADへメッシュを変換する方法はありますが、ポリゴン数が多くなって重いデータになるNURBS化がうまくいかないなどの問題がつきもの。現状では「Blenderはあくまで形状のイメージ検証用」と割り切るほうが、かえって手戻りが少ないと感じています。

5. MacかWindowsか─なぜプロダクトデザイナーはWindows?

グラフィックや映像分野のデザイナーだとMacを好む人が多いのに、プロダクトデザイン界隈ではWindowsが主流です。その大きな理由は、ミドルレンジ以上のCADはWindows専用が圧倒的だから。 たとえばSOLIDWORKSも正式にはWindowsでしかサポートしておらず、Macで動かそうとすると仮想環境を使わなければならず、動作保証もなくなります。
一方、Fusion 360のようにMac対応しているCADもありますが、企業全体で「SOLIDWORKSを標準採用する」と決まれば、必然的にWindowsマシンを用意することになります。「家ではMac+Fusion 360、会社ではWindows+SOLIDWORKS」という使い分けを私はしています。

6. デザインと製造の知識が重要─アンダーカットと金型費のはざまで

デザイナーが製造を知らないと

  • アンダーカットが多すぎる形状
  • 金型費用の高騰や量産しづらい構造
  • 後工程で設計者とのやり取りが増えてタイムロス

設計者がデザインを尊重しないと

  • デザインの意図を汲まず、単に作りやすい形にしてしまう
  • 仕上がった製品がコンセプトや美しさから乖離する
  • ブランドイメージの低下につながる可能性
CADの使いこなしも大切ですが、最終的に量産製品を形にするには、製造の知識が必須です。分業性の職場では、デザイナーがデザインデータを作製し、それを元に設計者が設計を進めるという工程が一般的です。 デザインデータでアンダーカットが多い形状を作ると金型費用がかさむことや、抜き勾配の設定を忘れていると成形できないパーツになることなど、実際のものづくりの制約をある程度知っておかなければ、せっかくのデザインが後工程で大幅修正される可能性があります。
逆に、設計や製造サイドが「デザインなんて面倒」「とりあえず作りやすい形でいいでしょ」と割り切ってしまうと、当初狙っていたコンセプトや美観が損なわれてしまう。結局のところ、お互いがある程度相手の領域をリスペクトし、デザインの意図と製造の制約をどうバランスとるかを密にすり合わせる必要があるのです。
車の外装でサーフェスが何度も修正される例や、複雑な意匠面をRhinocerosで作って「これどうやって量産するの?」となる例は枚挙にいとまがありません。そのたびに、デザイナーとエンジニアが話し合い、「ここはどうしても譲れない」「ここはコストや耐久性を優先しよう」といったコミュニケーションを重ねることが、質の高い最終製品を生み出すカギになるでしょう。

7. まとめ:ツールは手段、やり方は人それぞれ

  • 「ベテランは2D、若手は3D」という時代から、いまは2D/3Dハイブリッドが当たり前になりつつあります。
  • 「ローレンジCADを個人で使い、会社ではミドルレンジ以上を使う」など、OSや予算を踏まえてソフトを使い分ける人も増えました。
  • MBD/PMIのような最新の設計フローが台頭してきた一方で、紙図面文化もなお根強く残っています。
  • ソリッド、サーフェス、フォームそれぞれに得意分野があり、Blenderなどのゲーム向けツールを“形状イメージの検証”に活かす動きも注目されています。
  • 最終的には「どの手法が正解」というより、自分がやりやすい方法社内の体制に合わせて最適解を選ぶのが大切。
  • 何より、デザインと製造知識を掛け合わせ、お互いをリスペクトできるチーム体制があるかどうかが、良い製品を生む最大のポイントです。
プロダクトデザイナーとして活動していると、どうしても「CADは操作が大変」「ソフトの種類が多すぎてわからない」といった声を耳にします。しかし、考え方を変えれば、CADこそが「アイデアを現実の形に変えるための強力な道具」です。紙とペンだけでは難しい3Dの可視化や試作短縮が可能になり、Blenderのようなラフモデリングツールも併用すれば、より自由な発想を立体化できます。
それぞれのCADソフトの特徴や運用ノウハウ、そして製造知識との結びつきを理解すれば、デザイナーの創造性はさらに広がっていくでしょう。ぜひ、自分が使いやすい環境を整えつつ、チームやエンジニア、サプライヤーと連携しながら、「デザインの意図を100%カタチにする」ためのCAD活用を追求してみてください。