はじめてのプロダクトデザイン|【依頼】と【見積】のポイント

はじめに
「プロダクトデザインを依頼したいけれど、具体的にどう進めればいいの?」
「見積のポイントや、どこに頼めばいいのか知りたい」
こんな悩みをお持ちではありませんか?
本記事では、依頼前の準備から見積取得の進め方、そして実際のデザインフローまで、初心者にもわかりやすいステップで解説していきます。事前準備のコツや、製品開発を成功に導くためのヒントをまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
まずは商品開発全体の流れを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
はじめに1. プロダクトデザインの依頼とは?プロダクトデザインが重要な理由依頼と見積をセットで考える理由2.依頼前の準備・見積取得のステップ1)デザインの目的を明確化2)製品の基本情報・仕様3)予算感・スケジュールの検討4)依頼先のリサーチと比較5)相場感を参考に見積依頼先を選ぶ6)見積を依頼する見積の注意点3. プロダクトデザイン依頼の流れ(依頼後〜量産まで)ステップ1. ヒアリングとゴール設定ステップ2. コンセプト提案ステップ3. 試作と検証ステップ4. 最終デザインと量産準備4. 適切な依頼先の見極め方4-1. 個人デザイナー4-2. デザイン事務所4-3. 大手デザイン会社5. 具体例:適切な依頼先を選んだG社のケース6. 成功するデザイン依頼のポイントポイント1. 依頼内容を具体的に伝えるポイント2. 進捗確認を定期的に行うポイント3. 成果を測定する7.デザイン依頼での失敗を防ぐチェックリスト8. 支払い方法とスケジュール9. よくある質問Q1. 見積にはどのくらいの時間がかかりますか?Q2. 見積をもらった後、依頼しない場合は費用がかかりますか?Q3. 納期はどのくらいですか?Q4. 他社との比較はどうすれば?Q5. 複数社に見積を依頼しても良いですか?まとめ:プロダクトデザインの第一歩を踏み出そう
1. プロダクトデザインの依頼とは?
プロダクトデザインが重要な理由
プロダクトデザインは、製品の「見た目」や「使い勝手」だけでなく、企業のブランド価値や市場競争力を左右する大切なプロセスです。
たとえば、新しい機能を追加してもユーザーが使いづらいと感じれば売上には直結しません。そこで、製品の魅力を最大化し、ユーザー視点で最適化するのがプロダクトデザインの役割です。
依頼・見積もりを依頼するプロダクトデザイナーについて知りたい方はこちらを御覧ください。
依頼と見積をセットで考える理由
「あとで実現できないデザインだった…」
「想定していた内容と違った…」
「追加で費用が発生した…」
という失敗を避けるには、依頼の段階で要望をしっかり共有し、見積内容を理解しておくことが重要です。
デザイン案自体が美しくても、製造の制約やコスト面で折り合いがつかない場合、やり直しで時間とお金が余分にかかってしまいます。
2.依頼前の準備・見積取得のステップ
プロダクトデザインをスムーズに進めるためには、依頼前にどれだけ準備できるかが重要です。ここでは、見積取得や依頼先選びに関わるステップを整理して紹介します。
1)デザインの目的を明確化
見た目を刷新したいのか、機能性を高めたいのか、ブランド価値を向上させたいのか。
目的が明確であるほど、依頼内容や期待する成果が具体化し、成功確率が高まります。
例1:製品の見た目を改善したい
→ 第一印象で購入意欲を高めるデザイン
人と同じで製品も第一印象が大事で売上に大きく影響します。
例2:機能性を向上させたい
→ 顧客満足度を向上させるデザイン
使いやすさや利便性を追求することでリピーターを増やし、ブランドの信頼を構築します。
例3:ブランド価値を高めたい
→ 企業イメージを体現するデザイン
統一感のあるデザインはブランドの認知度と信頼感を高めます。
2)製品の基本情報・仕様
ターゲットユーザーの年齢層・使用シーンなどを含め、依頼先へ具体的に共有できる資料を用意する。
3)予算感・スケジュールの検討
- 大まかな予算
依頼前におおよその予算感を決めておくと、見積を比較・調整しやすくなります。
- 納期・スケジュール
製品発売日や試作品検証に要する期間などを逆算し、いつまでにどの段階のアウトプットが必要かを把握しておきましょう。
4)依頼先のリサーチと比較
依頼先には大きく分けて「個人デザイナー」「デザイン事務所」「大手デザイン会社」があり、それぞれ費用面や得意分野が異なります。
依頼先 | 特徴 |
個人デザイナー | 費用を抑えやすく柔軟性が高い。小規模プロジェクトに適している。 |
デザイン事務所 | 安定したクオリティと幅広いサービス。中規模以上のプロジェクトに適している。 |
大手デザイン会社 | 大規模プロジェクトやブランド戦略に強い。コストが高めだが、話題性を獲得しやすい。 |
自社製品の規模や求めるデザインの方向性を踏まえ、実績や得意分野、コミュニケーションの相性などをチェックして候補を絞り込みましょう。
5)相場感を参考に見積依頼先を選ぶ
依頼先は費用に大きく影響してきます。予算に応じた見積依頼先を選ぶことで効率的に進めることができます。
- 費用対効果: 提案された価格が成果物に見合うか。
- 実績と得意分野: 過去のプロジェクト事例や得意分野を確認。
- コミュニケーションの相性: スムーズにやり取りできる相手か。
費用と相場感については下記で詳しく説明しています。
6)見積を依頼する
候補をある程度選定できたら、見積の依頼を行います。依頼時には次のポイントを伝えておくとスムーズです。
- 製品の基本情報: 用途、ターゲット、参考とする既存製品など
- 期待するアウトプット: 3Dデータの有無や試作品の希望など
- スケジュール: 初回提案の希望時期や最終納期、試作期間
見積の注意点
- 見積の内訳が明確かを確認しましょう。 デザイン工程や試作工程、修正回数などの費用項目
- 提案のボリューム: 複数案が必要な場合、その分費用が掛かってしまいます。 複数のデザイン案を提出する場合、各案に対して時間とリソースが追加されるため、どうしても費用が増加することがあります。
- デザインの複雑さ: 単純な形状の製品と部品点数の多い製品では、必要な工程が異なります。 シンプルな形状のスマートフォンケースに比べ、機械部品や精密機器のデザインではより多くの工程や専門的な技術が必要です。
- 依頼内容の範囲: 商品企画、ブランディング、試作品制作を含むかどうかで費用が変動します。 商品企画の段階から関与する場合、デザインの方向性決定や市場調査を含むため、単なる製品デザインよりも費用が高くなることがあります。
3. プロダクトデザイン依頼の流れ(依頼後〜量産まで)
ここでは、実際に依頼が決まってから納品・量産に至るまでの工程を整理します。
ステップ1. ヒアリングとゴール設定
初回ミーティングで、製品の目的、ターゲットユーザー、デザインに求める要素を共有します。
- 製品の目的:誰に、どんな価値を提供したいのか?
- ターゲットユーザー:年代・性別・使用シーンなど
- 差別化ポイント:競合他社や既存製品との差異や機能面での強み
ステップ2. コンセプト提案
- ヒアリング内容を基に、初期コンセプト案やスケッチを提案します。
- 柔軟なアイデア出しを行い、方向性を探ります。
ステップ3. 試作と検証
- 3Dモデルや試作品を作成し、実際の使用感や見た目を検証します。
- 必要に応じて改善を繰り返しながら、完成度を高めます。
ステップ4. 最終デザインと量産準備
- 最終的なデザインを確定し、製造業者と連携
- 量産試作で品質を確認し、本番生産へ移行
- 発売スケジュールやコスト管理を最終的にまとめる
4. 適切な依頼先の見極め方
上記の工程をスムーズに進めるためにも、相性の良い依頼先を選ぶことが大切です。あらためて、依頼先の種類をまとめます。依頼先によって提供されるサービスや得意分野が異なります。それぞれの特徴を知り、自社のプロジェクトに適した選択をしましょう。
4-1. 個人デザイナー
- メリット:
- 費用を比較的抑えやすい
- フリーランスならではのスピード感・柔軟性が期待できる
- デメリット:
- 大規模プロジェクトや量産サポートまで対応が難しいケースも
- 一人のスキルやリソースに頼るため、幅広い要望には不向き
4-2. デザイン事務所
- メリット:
- 複数のデザイナーが在籍し、安定したクオリティが期待できる
- 試作やブランディングなど、幅広いサービスに対応可能
- デメリット:
- 個人より費用が上がる傾向
- 事務所ごとに得意ジャンルがあるため、相性の見極めが必要
4-3. 大手デザイン会社
- メリット:
- 大規模プロジェクトや海外展開に強く、専門家のチーム力を活かせる
- 著名デザイナーや大手の実績で話題性を獲得しやすい
- デメリット:
- コストが高額になりがち
- スケジュールも長期化する場合が多く、スピード勝負には不向き
5. 具体例:適切な依頼先を選んだG社のケース
背景
G社は、スマート家電製品を開発中で、プロダクトデザインを外部依頼。選択肢としてフリーランス、デザイン事務所、大手デザイン会社がありました。
課題
- 高品質なデザインを実現したいが、予算に限りがある。
- 技術要件が複雑で、量産を意識した設計が必要。
解決策
- デザイン事務所を選択
- 複数のプロジェクト経験がある事務所を選び、量産設計の知識を活用。
- ターゲットに合ったデザイン提案
- スマート家電のターゲット層(30〜40代の共働き家庭)に刺さるデザインを提案。
結果
プロジェクトはスムーズに進行し、製品投入後に市場シェアを20%拡大。特にデザイン性が評価され、ブランド価値が大幅に向上しました。
6. 成功するデザイン依頼のポイント
ポイント1. 依頼内容を具体的に伝える
製品のターゲット層、目的、希望するスデザインタイルなどを詳しく伝えましょう。
例:「20代女性向けの化粧品パッケージで、高級感と清潔感を重視。」
ポイント2. 進捗確認を定期的に行う
初期段階で方向性をすり合わせ、修正が必要な場合は早めに伝えます。
進行状況を共有することで、完成後のギャップを最小限に抑えられます。
例:「初稿段階でコンセプトの確認を、仕上げ段階で全体のバランスをチェック。」
ポイント3. 成果を測定する
デザインがビジネス成果にどのように影響したかを数値化して評価します。
- 販売データ: デザイン後の売上増加率や販売数の変化を比較。
- 顧客アンケート: 満足度や購入意欲に関するフィードバックを収集。
- ブランド認知度: SNSでの言及数やウェブトラフィックの変化をモニタリング。
7.デザイン依頼での失敗を防ぐチェックリスト
以下の質問をもとにプロジェクトを見直しましょう。
- 依頼目的が明確か?
- 予算と期待する成果が一致しているか?
- 依頼先の得意分野とプロジェクトがマッチしているか?
- 進捗確認や修正依頼がしやすい体制か?
8. 支払い方法とスケジュール
プロダクトデザインの支払いは、以下の方法などがあります。
- 一括払い: 全額を一度に支払う方法。
- 分割払い: プロジェクトの進行に応じて支払う形。
- ロイヤリティ契約: 基本料金に加え、販売数や売上に応じて報酬を支払う形態。
詳しい支払い方法はこちらをご覧ください
9. よくある質問
Q1. 見積にはどのくらいの時間がかかりますか?
通常、初回ヒアリングから1~2週間程度で見積をご提出いたします。
Q2. 見積をもらった後、依頼しない場合は費用がかかりますか?
見積やご相談は無料ですのでご気軽にご相談ください!
Q3. 納期はどのくらいですか?
製品の複雑さによりますが、ご発注後1ヶ月後の初回デザインご提案が多いです。
Q4. 他社との比較はどうすれば?
見積書の内訳(デザイン工程、試作工程、納期など)を比較し、自社に合った費用とスケジュールで選ぶと安心です。
Q5. 複数社に見積を依頼しても良いですか?
もちろん可能です。複数社の提案を比較することで、最適な選択ができます。
まとめ:プロダクトデザインの第一歩を踏み出そう
プロダクトデザインの依頼と見積をスムーズに進めるには、事前準備と正確な情報共有が不可欠です。この記事で紹介したステップを参考に、安心してプロジェクトを進めてください。
はじめてのプロダクトデザイン依頼でも、要点を押さえて準備すればスムーズに進められます。
- 依頼前に製品概要や予算感を整理し、見積の内訳を理解しておく
- 複数のデザイン案を希望するなら、最初にその旨を伝えて費用を調整
- 納期や修正回数などの条件を契約時に明確化し、トラブルを防ぐ
こうしたポイントを意識するだけで、追加コストや納期ズレを最小限に抑えながら理想のデザインを追求できます。何か不明な点があれば、ぜひご相談ください。
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