【デザイン】とは?「コンセプト」を伝えるための手段|事例も交えて解説

デザインとは?目的や気をつけたい点を解説

はじめに

デザインと聞くと、まず「形」や「色」といったビジュアル面を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、私が考えるデザインの本質は、「ターゲットにどんな印象を与えたいか?」を明確にし、その印象を実現するために形や色、素材、UIなどを選び抜くことにあります。
ターゲットに与えたい印象=コンセプトだと言えます。
  • 柔らかく優しい雰囲気を演出したい → 曲線を活かした“丸みのあるデザイン”
  • 頑丈さや力強さをアピールしたい → エッジの効いた“力強いデザイン”
  • 革新的で未来感のある印象を狙う → 洗練されたフォルムや先進的な素材を用いた“未来的なデザイン”
このように狙う印象が変わるだけで、同じ「デザイン」でも全く異なるアプローチになります。この記事では、「デザインの目的は狙った印象を与えること」という視点を軸に、実際のデザインの進め方やクライアントとのコミュニケーションについてまとめました。

1. デザインの目的は“狙った印象”を与えるための手段

1-1. 狙った印象とは?

「デザインは見た目が良ければOK」というイメージもあるかもしれません。でも大事なのは、「どのような印象を与えたいか?」というゴールを最初にしっかりと言語化することです。
つまり、コンセプトを固めるということになります。
私自身、「目的設定=コンセプト作り」を先にやることでデザインの軸がブレにくくなると感じています。なぜなら、コンセプトがはっきりしていると「これはゴールに合うか?」「合わないか?」という判断がしやすく、迷走を防ぐからです。

1-2. コンセプトが明確だからこそ効果を発揮するデザイン事例

丸みのあるデザインを活用した医療機器

病院は、患者さんが不安や緊張を感じやすい場所。そこで「優しい印象」をゴールに設定し、直線を避けて曲線を多用し、ボタンなどのUIも柔和な形・色にしました。おかげで患者さんに安心感を与えやすい見た目に仕上がりました。

力強いデザインを活用した最上位モデル

高価格帯・ハイエンドモデルでは「威厳や高級感」を狙いたい、というゴールがあります。そこで直線的なフォルムや光の反射を意識し、質感やカラーリングも金属感を強調。ターゲットが直感的に「高級だ」と感じられる要素をデザインに盛り込みました。

未来的なデザインを活用したガジェット

革新性と先進感をアピールシンプルなフォルムに先進的な素材を取り入れたり、UIを含めてミニマルな構成にしたりすることで“未来感”が生まれます。不要な装飾を排除する“先進的”と感じさせるには、なるべく装飾を減らすこともポイント。余計な情報が少ないほど“洗練された印象”につながります。
同じ「製品」を作る場合でも、狙う印象に応じて使う手法や形がガラッと変わるのがデザインの面白さです。

2.コンセプトを伝えるためのリサーチ・準備

自分の中の「理屈+直感」をアップデートする

  • 過去の経験に基づく理論
    • 「曲線は優しさを生む」「エッジを立てると力強い印象になる」など、積み上げてきた理論は大切な財産。
  • 理屈だけで説明しきれないデザインもリサーチで検証
    • 一方で、「なんだか未来的に感じる」「よくわからないけど惹かれる」というデザインに出会ったら、PinterestやInstagramなどを使って色々な参考事例を探し、自分なりに「なぜそう感じるのか?」を考察する。
こうして検証を繰り返すことで、「狙った印象」を生み出す手法やアイデアの“引き出し”が増えていきます。実際のデザイン案件で「今回はちょっと未来感を出したい」と思ったとき、この引き出しが役に立つわけです。

3. コンセプトを伝えるためのデザインプロセス

3-1. 言語化してコンセプトを固める

デザインは抽象度が高い作業なので、最初に「どんな印象を狙うか」「その理由は何か」「どう実現するか」を言語化してまとめます。いわゆるコンセプト作りです。
  1. 目的(ゴール)
    1. 「安心感を与える」「高級感を演出する」「未来を感じさせる」など、具体的に書き出す。
  1. 理由
    1. なぜその印象が必要なのか? ターゲットは誰か? 競合との違いは何か?
  1. 実現するための手段
    1. 丸み、直線、素材、配色、UIデザインなど、必要な要素を簡単に箇条書きする。
 
これを行うことで下記のようなメリットがあります。
  • コンセプトがブレにくい
    • 文章として残しておけば、作業途中で迷走しそうになっても振り返りやすく、チーム内やクライアントとの意思疎通もスムーズです。
  • 変更もポジティブに受け入れられる
    • プロセスの中でコンセプトが変わること自体は悪いことではありません。言語化しておけば、なぜ変更するのかを合理的に説明でき、関係者が納得しやすくなります。

3-2. シンプルなスケッチや図面から3Dモデルへ

私の場合、スケッチよりも3Dソフトのほうが得意なので、あくまでラフな3面図でアイデアを描いたら、すぐに3Dモデル化しています。
  • サイズ感や形状のニュアンスをリアルに把握
    • 2Dの図面や紙上のスケッチだけではわからない細かな角度や丸み、影の出方などをチェックできます。
  • 狙った印象とのズレを早期に発見
    • 「もう少し角を落としたほうが柔らかく見える」など、デジタル上で微調整しやすいのがメリットです。

3-3. 3Dプリンターでモックを作る

  • 立体物になるデザインは、実際に立体で検証するのが一番確実
    • 画面だけではどうしても想像と現物が違う場合があります。
  • フィードバックを受けながら修正を繰り返す
    • 「触り心地はどうか?」「この角度は本当に力強く見えるか?」などをモックで確認し、細部を煮詰めて完成度を高めていきます。

4. クライアントとのコミュニケーション

4-1. クライアントに“ゴール”を求めすぎない

私は、ゴールを提示するのはデザイナーの仕事だと思っています。もしクライアントが「こうしてほしい」という答えをすべて持っていたら、誰かに頼む必要がないはずだからです。
  • イエス・ノーで答えられる質問から徐々に深掘り 「もっと優しい印象がいい?」「それともシャープなイメージが好み?」など、最初は答えやすい質問でクライアントの感覚を掴みます。
  • こちらから提案を行う たとえば「ターゲット層は安心感を求めているので、丸みを強調しましょうか」など、プロの観点で方向性を示します。
  • コンセプトや狙いを逐一説明 「なぜ丸みが大事なのか」「なぜ直線が必要なのか」をきちんと言語化して伝えれば、クライアントも納得しやすく、修正の方向性も定まりやすいです。

4-2. フィードバックの目的を明確に伝える

  • 操作性をチェックしてほしいのか、見た目の印象を確認してほしいのか ここを曖昧にすると「今回は操作感だけを見てほしいのに、デザインがダサいと言われた」と話がずれてしまうこともありえます。
  • 評価用モックもシンプルに 使い心地だけを評価したい段階のモックには、あえて意匠を入れないなど、“何を検証したいか”がはっきりしていれば迷走を防げます。
  • プロジェクトのブレを防ぐ フィードバックは大事ですが、目的と異なる観点での評価ばかりが集まると、コンセプトとズレた方向に進んでしまう原因になるので注意が必要です。

5. まとめ

  • 「デザインとは?」と聞かれたとき、単なる「見た目の良さ」だけではなく、「ターゲットに与えたい印象を明確にし、それを実現するための手段を選ぶ行為」だという視点が大切。
  • 「力強い」「親しみやすい」「未来的」など、狙う印象が変われば形や色、UIまで含めたアプローチは大きく変わります。
  • 最初のコンセプト設計(言語化)、リサーチとモックによる検証、そしてクライアントとのコミュニケーションでゴールを共有し続けることで、ブレないデザインを作り上げることができます。
もしデザインの方向性に迷っている方や、「こんな印象を与えたい」という想いをもっと具体化したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。あなたの目指すゴールに合わせて、最適なデザインをご提案できれば嬉しいです。